特定技能外国人の2019年12月末時点入国者数について

特定技能の現状

政府が外国人労働者の受け入れ拡大を目的に、2019年4月から開始となった特定技能1号2号制度が、創設以来どのような活用がされているのか、進捗が分からないという声が多々あります。5年間で最大34万人を受け入れる目標にしていますが、コロナの影響もあり現状は厳しいものです。
働く人たちの幸福度を上げ、より安心して社会のなかで活躍できる環境をつくるために、課題は山積みですが、前向きに取り組んでいきたいものですね。
特定技能とは、人手不足が深刻な飲食業界や介護業界など14分野を対象に、外国人の単純労働を事実上認める在留資格です。技能実習生の多くが3年で帰国するのに対して、特定技能は最長5年で追加試験もありません。
昔と違い、今は外国人が国を選ぶ時代です。住んでみたい、働いてみたいという人たちを後押しするために、個々の立場と様々な価値観と意見がある上で、情報を知り現状を把握することで今後の流れと可能性がより明確になると思います。
そこで今回は、2019年12月末現在、法務省が出している特定技能1号在留外国人数の公表値を見ていきましょう。

入国者数の割合

2019年末に「特定技能」で在留している外国人数は14分野全て合計して1,621人となっています。これは、特定技能の制度が創設された際に、初年度(2019年度)の受入想定最大値47,550人から考えると進捗率は約3.4%となります。初年度で制度の運用がスムーズにいかなかった事情があるとはいえ、年度の4分の3が経過した12月末で3.4%の進捗率ということは、行政が想定していたよりも特定技能制度の活用が進んでいないということが言えると思います。
国籍別ではベトナムが最多の901人、次いでインドネシアの189人、フィリピンの111人の順でした。
受け入れ分野別では飲食料品製造業が557人と最も多く、次に農業の292人となります。
技能実習からの変更が1486人と全体の91.7%を占めており、試験を受けて合格後、新たに入国した人は115人でした。
都道府県別では愛知県が127人、埼玉県が112人、大阪府が103人、東京都が94人となっており、この4都府県で全体の約3割を占める結果となっています。
政府は地方に住む外国人向けの住宅紹介や家賃補助への財政支援などを実施していますが、受け入れ人数が増えるにつれて大都市圏に集中しつつあるのが現状です。